*『た走り鳴る雷獣』ステージ・ラッシュ成人期2話後の妄想
*雷獣主を雷獣と表記
*→1部にトリップして失語症になった原作知識なしの波紋使い夢主
*≪≫は筆談表記
雷獣は絶賛、甘いお菓子を求めてイタリアに来ていた。
―――というのもカーズを筆頭に「またあれが食べたい。」と駄々をこねたからだ。
唯一、昼間に行動できる雷獣はおつかい(と言っていいか不明だが)を頼まれた訳だが、
本当にこの観光地は広すぎるから困る。
「此間のようにうまく貰えたらなァ〜〜〜。」
―――なんて、そんな美味しい話が二度も起こる訳ないと分かっているが、
そう言わずにはいられないのが常である。
そろそろ本気でどこか店に入らないと、またおかしな実験に付き合わされてしまう。
電気鼠の体は結構気に入ってたりするのだが、これ以上人間離れになってしまうのは御免だ。
ただ動かしていた足を止め、大きな溜息をつくと、後ろから肩を軽く叩かれた。
≪何かお探しですか?≫
ウロウロし始めて数分後、ここで初めて声―――というより筆談で返された。
声が出ないのだろう。そうでなければ、わざわざ肩を叩いて来ないだろう。
「ああ〜ちょっと美味しいお菓子売ってるいい店ないかなーっと・・・。」
≪私でよければ、案内しますよ?≫
これ以上、時間を潰すわけにはいかなかったので、雷獣は何の迷いもなく頷いた。
***
あるスイーツ店に初めて入ったにも関わらず、砂糖の誘惑に負けた雷獣は、
以前突っかかって来た男達からくすねたお金を使って、
これまた多くの洋菓子を購入した。
白い箱に詰められたそれらを抱えて、雷獣はルンルン気分である。
「いや〜ありがと!おかげで美味しいものたくさん買えたよ!」
≪そうですか?お役に立ててよかったです。≫
≪食べる人、多いんですね。≫と後から書かれた文字を見て、
甘党筋肉野郎共がいるんです、という言葉を呑みこんで、雷獣は苦笑いした。
ここでふと、隣で歩いている失語症の少女を見た。
普段では滅多に見掛けないアジア特有の童顔。同じ年にも見られる。
同じ日本人がいるだけで、雷獣はうれしかった。
「そういえば、ってずっとここに住んでるのかァ〜?」
≪いえ、つい最近ニューヨークから来たんです。≫
「あ、ああ〜・・・・・・その、敬語はなしでいいよ。
うちらって年、近いっしょ?」
は暫し、間を置いてから、ゆっくり頷いた。
その顔には、自然と笑みが浮かんでいた。同い年の同性がいて嬉しいようだ。
ニューヨークと言えば・・・・・・今、JOJOはヴェネチアにいるはず―――。
「お―――い!どこだ〜〜〜?」
「(うげっ)」
変なマスクをつけているが、あれは間違いなくジョセフ・ジョ―スターだ。
遠い距離にいるため、こちらには気づいていない。
お互いまだ会ってもいないが、柱の男側にいる雷獣はなるべく避けたい。
それにしても、JOJOと知り合いであろうこの子は一体何者なんだ?
原作にはそんなことなかったはずだぞ・・・!?
ちらりとを見れば、≪ここだよ!ここ!≫と書かれたスケッチブックを上げて
距離を詰めていた。
彼女には悪いが、バッタリ遭遇する前に退散させて頂こう。
「どこ行ってたんだよ?早く戻ろうぜ。」
「(うん・・・・・・・・・あれ?)」
さっきまでずっと一緒にいたはずなのに、姿が見当たらない。
急な用事でもあったのだろうか。一言も送れなかったのが心残りであった。
何も知らないジョセフは、リサリサに頼まれた買い出しを終えたので、
早く戻ろうと急かす一方だった。
「(雷獣・・・。また、会えるような気がするな・・・・・・)」
二人が違う形と会うことになるかは、神のみが知るのであった。
***
ウッチョさんのサイト『喜鱗』が1周年というのを記念して、
図々しくも企画に参加させて頂きましたー!
雷獣主さんの口調が完全に迷子かつ偽者すぎて申し訳ないです、すみません!!
遅れながらもサイト1周年、おめでとう御座います!
これからも素敵な話を書いてって下さい・・・!!