*『胎内/星海』ともリンク *視点 *ほとんどこちらの長編夢に合わせる可能性大 *しつこいようですが夢主x夢主+百合要素なので全て覚悟のある方のみご覧下さい 気がつけば私は病院の個室のベッドの上にいた。 何度も続くこの光景にもはやデジャヴとしか言いようがない。 そして、ここが1987年の東京で、空条ホリィさんの家の池に落ちたことや、 ホリィさんがジョセフの実の娘であること―――なんとも羞恥な事実も含めて私は知った。 何十年経っても私はジョ―スター家の厄介になるようだ。本当に申し訳ない・・・・・・。 「あ、聖子さん、おかえりなさい。」 空条家にやって来て最初に出迎えてくれたのは私と同い年に見える女の子。 ミッドナイトブルーの長髪に、エメラルドグリーンとスカーレットのオッドアイが とても印象的で、純粋に綺麗だと思った。 (聖子さん、というのはまぎれもなくホリィさんのことだろう) 「聖子さん、その子は・・・・・・。」 「ええ。さっき電話で話したちゃんよ。」 ホリィさんが「この子は私の養子なのよ。」と紹介され、私も改めて彼女に向き直る。 綺麗な瞳に、ちょうど私の顔が映った。 「はじめまして空条紫苑です。よろしくね。」 優しげな表情に私はホッとしたものの、緊張だからか、何だか落ち着かない。 ≪―――です。こちらこそ、宜しくお願いします。≫ お互い自己紹介が終えたところで、軽く握手を交わした。 私の手に重なったその手は自分より小さくて・・・・・・ だけどその肌から穏やかな温かさを感じた。 同い年ということもあって、自然と話も弾む。 知的で空手をやってるという紫苑は、今まで会った同性の中で一際目立っていた。 (しかしそれは人見知りな自分から避けていたのが原因である) だがいつも一緒にいられる訳ではない。 紫苑には承太郎同様、学校がある。 その間はホリィさんのお手伝いをしているのだが、僅かに流れる静寂に、 私は畏怖を抱いている。 本当に私は歓迎されているのか、紫苑たちは本当に私を受け入れてくれているのか、 押し寄せてくる不安感に胸がしめつけられる。 心配されたホリィさんに思い切って打ち明けた。 「そんなことないわ!  あなたと話している時の紫苑ちゃん、とても楽しそうに笑ってたじゃない!」 笑っていた・・・・・・?本当に? 「そうだ!2人が帰って来るまでお菓子作りましょう!」 お菓子作り・・・・・・そういえば最近やってなかったな。 誰かと並んで作る、というのも何だか懐かしい。 出来あがったのはカップケーキとマドレーヌ。 美味しそうな香りがリビング内に包まれ、聞き慣れた足音が近づいて来た。 「ただいまー・・・・・・わあ!美味しいそう!」 「おかえりなさい紫苑ちゃん。ちょうどよかった。  今できたばかりだから手洗ってからお茶にしましょ!」 もちろん、ちゃんも一緒にね? ホリィさんからくれたウインクも兼ねた言葉に、 私は戸惑いながら同席させてもらった。(約一名不似合いな男子がいるが) ホリィさんと一緒に作ったから味は大丈夫な、はず・・・・・・! 「美味しい・・・!」 「ふふ、それちゃんが作ったのよ。」 「が・・・?すごいのね!」 そんな風に言われると、何だか照れくさい。 ≪そんなことないよ。≫と返したいのだが、 変な緊張と嬉しさが混じって、思うようにいかない。 そんな中、紫苑が淹れてくれた紅茶の香りが、その緊張を解してくれた。 作ったばかりの洋菓子と紅茶が絶妙に合っていて本当においしい。 ホッとするなー・・・。 ≪やっぱり本場の紅茶は絶品だね。普段はあまり飲まないけど。≫ 「そう?気に入ってくれてよかった。」 「?どうしたの?」 ≪―――ううん、何でもない。≫ 一瞬、あの(・・)懐かしい記憶が頭に過ったことに、私は内心動揺せずにはいられなかった。 *** 長くなりそうなので、勝手ながらもこういう続編ものでやらせて頂きますー。 そして承太郎セリフなしって・・・! ご迷惑おかけしますが、宜しければお付き合い下さい・・・!