途中から旅に同行することになった花京院典歌。
名前の通り、花京院の妹だ。
『肉の芽』で一度は対立したものの、今は何とか落ち着きを取り戻しており、
承太郎やポルナレフたちとじゃれ合う光景も目にするようになった。
数少ない女の子というのもあり、親近感を抱いていたはスタンド能力や筆談でしか会話できない中で、
どう彼女と接するか小さな悩みであった。
そんなある日、ホテルで典歌と同室となった。
これをきっかけに仲良くなれたらいいなと、内向的なにしては珍しくやる気を出していた―――。
「ジョセフさんのパンツ共有してるって本当なの?」
同じ部屋に入った3秒後、その典歌に言われ硬直せざるを得なかった。
「『え、え〜っとォ・・・』『典歌、それは誰から聞いたんだい?』」
「あっ!典明の声そのままだ、スゲー!」
「・・・・・・。」
「ああ、ごめんごめん。ポルナレフから聞いたんだよ。
『あいつらの関係本当にわけがわからねえ!』って騒いでたよ。」
そこでようやくああ、と合点がついた。
「『典歌も知ってると思うけど』『彼とは以前、共に戦った友人同士でね・・・』」
「でもおっさんのパンツを使い回すのってどうなの?普通いやがるでしょ?」
そう、それが本来の反応なのだ。
だがこのという人物・・・戦いの沼に長く浸かったせいかは定かではないが、
普通の女性とはちょっと所ではないレベルでどこか欠けていた。
典歌だけでなく、他の皆からすればおかしかった。
さりげなく苦言をいう彼女も彼女だが、否定できないのも事実である。
「『いや、だって替えの下着ないし、』
『仕方ないからわしのを貸してやる!ちゃんと洗って返すんじゃぞ』
『って本人も言ってくれたしさ・・・』」
「ふーん、じゃあ本当にそれ穿いてるか見せてもらおうかッ!」
「『え、ちょっ、ちょっと待て!いいからちょっと待てって!』
『待つんだ典歌ッ!』」
最終手段だと言わんばりに花京院の声をリピートすれば、
ピタリと典歌の体が綺麗に止まった。
まさか女の子にズボンを下ろされることになろうとは・・・・・・
小学校の頃、男子同士がふざけてやっていたのをたまたま見てしまった
どうでもいい記憶が回想される。
「『ジョセフ』『・・・のパンツが見たいってそう言ってくれれば見せるのに』」
「何だ、結局いいんだ?変なところではきっちりしてんだね。」
「『そういう典歌こそ』『承太郎と花京院が二人になっている時だけ睨んでるじゃないか』」
そう指摘すると、ビシリと典歌の表情が強張った。
承太郎と何か話している姿を何度か見かけていたが、
これといって仲がすこぶる悪いようには思えなかった。
「『・・・どういうことだ?典歌』」
承太郎の声で尋ねたらすごい顔で睨まれたので、すぐに花京院の声で謝った。
本当に兄のことが大好きなんだと、『声』だけでも反応する典歌を見て思うのだった。
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#ふぁぼしてくれた人のお子さんとうちの子で小話書く