※短くてスイませェん! 「鳥人間っつっても、冷静に考えてみりゃあオドロキものだよなァ〜〜」 仗助たちが素直に信じられないのも無理はない、と億泰は自宅の玄関まで辿り着く。 今日は一人で下校だ。仗助は何やら用があるらしく、康一に至ってはデートだ。 独り身は寂しいのォ〜〜と敷地に入ろうとして……。 そのまま後ろに下がった。 何歩か下がった後、パッと顔を上げた。何か、いた気がするのだ。 よくよく見ていると、屋根に何か≠「る。 「な、なんだァ〜〜ッ!?」 「ム?」 ひょっこり。 まさにそんな風に、屋根から顔を出した一人の男。 乗り出した腕は、鳥の羽のような形をしていたが、瞬く内に普通の腕に戻っていた。幻覚か? 「あんた人ン家の屋根に乗っかってンじゃあねーぞ!」 「フン。喚きおって。乗ったところで不都合はあるまい」 「は、ハラタツッ! ……ン?」 男のほかに、まだ誰か屋根の上にいるらしい。歩く音がする。 「カーズ様、何してるんですか」 「おおピカ! いや、なんでもない。おまえが気にするべき事じゃあない!  もっと静かな場所に行って、二人きりでゆっくり過ごそう!」 と叫んだ瞬間、男の両腕がッ! なんとッ! 羽に変化したッ! 夕日の光を浴び、神々しさすら覚えるッ! さらに、男の肩にピカピカと話す黄色い犬――。 すぐに鳥人間は羽ばたいて行った。 「……」 「誰かと思えば、億泰。てめーか。玄関前でボーッと突っ立っているんじゃあない」 背中を強く叩かれた。後ろを見れば、形兆が立っていた。 億泰があんまりにボーッとしているものだから、形兆は怪訝に思って億泰の名を呼ぶ。 「と……」 「なんだ?」 「鳥人間がいたぜ兄貴ィーーッ!!」 …… 形兆の顔が薄っすら赤くなる。 「寝惚けたこと言ってんじゃねーぞッ! グダグダ言ってないでサッサと入れッ!」 恥ずかしい発現を、ためらいもなく、あろうことか大声で言う億泰。 逆に形兆が恥をかいたとばかりに「近所のババァには聞かれてないだろうな」と 辺りを見回しながら家に入る。 しかしながら、形兆は逆に驚くことになる。 実は、この近所で黄色い犬と鳥人間≠ェすでに目撃されているのだ。 ……荒木荘近辺でよく発見されるらしい。  *** リクエスト候補Aだったんですが・・・まさかの二つも書いて下さった! 本当に恐れ多い・・・!ですがちゃっかりお持ち帰りさせて貰いました!← 平穏な暮らしを望む吉良さんがとても黙っているはずがないと思うのですが・・・(苦笑) 本当に素敵な作品をありがとうございましたー!!