我が家の長女はしっかり者のお姉さん、名は
弟たちにからかわれることもあるけどそれはお姉さんとして頼りにしているから
妹に甘えられてるのは男兄弟が多い家族にとってなんでも相談できる相手だから
姉さん、いつもありがとう。
それは私がいつものように弟妹のために料理を作ろうとキッチンに立った時だった
「姉さん」
声をかけてきたのは私の弟であり兄妹の長男であるジョナサン
『どうしたの?ジョナサン』
「姉さんに受け取ってもらいたいものがあるんだ」
『えっ?』
そういって私の目の前に差し出してきたのは一輪の花
ニコニコといつもの優しい笑顔で渡されて私はわけも分からず受け取る
「僕からのプレゼントだよ、姉さん」
『あ、ありがとう…?ジョナサン』
「花の名前はディモルフォセカっていうんだ」
『大事にするわねありがとう』
「うん、それじゃあ僕行ってくるね」
『行ってらっしゃい』
私に花を渡すと今日は大学の講義だったのか鞄を手に出かけていくジョナサン
その背を見送りつつ私は料理していた手を止めて花瓶はどこに置いたかなと部屋の押し入れを探しに向かった
その先に騒がしく言い合いをしていたのがジョセフと仗助
『二人ともなにしてるの?』
「姉貴!きいてくれよぉー兄貴が…」
「ばっ…!言ったら意味ねぇだろ!仗助!」
『はいはい、仲がいいのは分かったから喧嘩して物は壊さない様にね』
「わぁーってるっつーの…それより」
この二人は似ている癖によく喧嘩をする
そしてものをよく壊すからいつもジョナサンに怒られている
そういって私が呆れかえっていると何かを思いついたのかにやにやと笑い出すジョセフ
『ニヤニヤしてどうしたの?』
「んー?ちょっとな!」
そういってごにょごにょと仗助に耳打ちをするジョセフに私はさらに何を考えているのか気になった
『もう、なぁに?さっさと教えて?ジョセフ』
「今姉貴に渡すんすかぁ〜?兄貴」
「今しかねぇだろ?ほら!いってこい!仗助!」
「ったく…都合が良いんすから…姉貴」
『なぁに?』
ジョセフに背中を押されて私の目の前に仗助がやってくる
その目はいつものふざけている時より真剣な目でなんだか目が逸らせない
それにしても綺麗な瞳だ
「これ、俺と兄貴からっす」
そういって渡されたのはまたジョナサンとはまた違った一輪の花
「その花はクラスペディアって花が咲くと大きいたんぽぽ見たいな花になんだぜ!
シーザーちゃんから教えてもらった!」
「俺と兄貴からの日頃の感謝のお礼っすよ」
『ありがとう、それまでに育てられるかな?』
「しっかり者の姉貴なら大丈夫っすよ!」
「それに咲かせられなかったら俺泣いちゃう!」
『分かってるわよ、冗談よ冗談!ジョセフも仗助もありがと』
「じゃっ俺、億康と康一と約束してるんで行ってきます!」
『いってらっしゃーい、気をつけて』
「俺は暇だし、花瓶でも探してきてやるよん」
『あら、珍しい』
「んだよー…」
『そう拗ねないでってば、ありがとうジョセフ』
「へへっ、おう!」
どたばたと玄関に走っていった仗助と
照れているのか嬉しそうに笑うと私の代わりに物置に去っていくジョセフ
私はまた増えた花を抱え、ジョセフが花瓶を持ってくるまでコップに水を入れてつけておくことにした
そんな私にまた近づいてきたのは…
「姉さん!ちょっといいかしら!」
『徐倫に承太郎…どうかした?』
「ほら、兄さん早く」
「…なんで俺が…」
「兄さんこういうことしないからよ!ほら早く!」
「…やれやれだぜ」
妹の徐倫と弟の承太郎がやってきた
なにやら承太郎は徐倫に背を押され私に何かを伝えに来たのかしら…?
その顔は本当に参っているようで、でもちょっと頬が赤くなって照れているような…
ん?照れている?
「受け取れ」
『えっ、わっ…』
「もう兄さんってば本当に照れ屋ね…姉さんそれはね?
サルビアっていう花でいつもありがとうっていう意味で私と兄さんからのプレゼントよ!受け取って」
『徐輪も承太郎もありがとう!さっきジョナサンやジョセフに仗助からももらったよ』
「あら、三人も早かったのね」
「俺はいつもに感謝してる…」
「兄さんは顔にも言葉にも出さないでしょ!態度で示さないとダメなのよ?女の子にももてないわよ?
まぁ、兄さんは大好きだから仕方ないけど…」
『まぁまぁ徐倫落ち着いて、ありがとう嬉しいわ』
「喜んでもらえてよかったわ!」
「おい、徐倫俺は作成したいレポートがあるんだが…」
「もう少しだけ付き合ってもらうわよ、兄さん」
「…やれやれだぜ」
『お疲れ様、承太郎』
「姉さん!行ってきます」
『気をつけてねー』
妹に連れ回される承太郎はさながら父親のようでなんだか見ていて面白かった
あまり年が離れていないが徐輪はどことなく承太郎に似ているし、
まぁ仲良きことは美しきかなともいうしね…
徐輪と承太郎からもらった花も活けておこう
「うわ、やっぱり遅かった…こういう行事に限ってやることは早いんだよなぁ…」
「ごめんね?ジョニィ兄…私が迷ったから」
「それはいいんだよ、僕も悩んでたしお互い様だよ」
『あら、ジョニィに出掛けてたの?』
「ちょっとね」
「ただいま!お姉ちゃん」
『おかえりなさい』
仲良く手を繋いで帰ってきたのは末の弟と妹のジョニィと
その手には他の弟妹から送られたのと違った花だが同じように一輪の花が握られていた
「もう兄貴たちから送られてると思うけど」
「私とジョニィ兄からもおねえちゃんにプレゼント!」
『ふふっ、二人ともありがとう大切に飾るわね?』
「おっ、ジョニィもも帰ってきたのか!」
「今さっき帰ってきたんだけどね」
『ジョセフ花瓶あった?』
「おう!これでいいだろ?」
『ええ、ありがとう』
「ところでジョニィとが選んだ花なんていうんだ?」
「えーっとね…ネリネって花だよ!」
『みんな違った花を送ってくれるからこうしてみると違うから綺麗よね』
ジョセフがもってきてくれて花瓶に水を入れて弟妹が送ってくれた花を活ける
色も形も匂いも違う花を愛おしく見つめる
あぁ、私はこんな優しいくて可愛い弟妹を持って幸せだ
「とりあえずよぉ〜、いつもあんがとな姉ちゃん!」
「ありがとう姉さん」
「ありがとう姉ちゃん!」
『私こそ、ありがとう』
pretty as a flower
***
相互記念として頂きました!まさかの姉の位置・・・!!なんて美味しすぎる設定なんですか悠月さん!!←
実はリアルに『家族パロで一番上の立場になったらどうなるんだろう』という妄想があったので
本気でエスパーかと思いました。(ぇ
末っ子ちゃんにまで慕われるなんて・・・感無量です。寧ろもっとしゃしゃり出て下さい!
私はどこでも受け入れます!←
本当に幸せの一時を味わえました。お言葉に甘えて早速お持ち帰りさせて頂きました!
素敵な小説、有難う御座いました!
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