1 『天国へ行く方法』の詳細を書き記す。 このような記録を残すことは危険である・・・・・・。 かつての宿敵、ジョナサン・ジョースターのような者にでも見られたら、相当まずいことになる。 ・・・・・・ジョ―スターといえば、あの娘、――― あの女はどうしたことか、初めて会った時から『侮れない』――― そんな感情を抱いていた。 日常では滅多に見ることはないアジア人。 黒髪で癖っ毛の目立つ何の特徴も見られないただの娘。 初見はその印象で強かった。 しかし、そんな目立たない女でも、普段ではありえもしない状況に巻き返す。 もし彼女がいなければ―――あの時わたしは世界の頂点に立っていたはず・・・。 いや、それは言い過ぎか。 何しろ、あの女には謎が多すぎる。 何故、よりによってジョ―スター家のところに辿り着いたのか。 何故、失語症になってしまったのか・・・・・・。 そもそも彼女は本当に、あの(・・)時代の日本の者だったのだろうか? 考えれば考えるほど止まらない。 わたしらしくもないが、彼女について別のノートに書き残そう。 特別な意味はない。 気を紛らわすだけだ。 それだけ・・・・・・それだけのことだ。