*アバター視点(男女どちらでも)
*ドラゴンボールゼノバースで師匠ビルス様のもしも修業
魔神ドミグラを倒し、平和を取り戻したトキトキ都にあの破壊神ビルスが寝転がっていた。
皆が近寄らないのをよそに、自分から思い切って声をかけてみた。
「ふぁ〜あ・・・・・・あれ、こないだ会ったタイムパトロールじゃないか。
どうやら君がドミグラを倒したようだね。」
つらつらと話が進み、弟子になってみないかと思いもよらない言葉を聞いて目を見開いた。
そんな、まさか・・・・・・あの破壊神の弟子に・・・!?
まだ寝ぼけているのではないかと目を疑ったが、この様子からして本気のようだ。
今後のことも考え、力をつけていきたいとその場で即決した。
弟子入りしたものの、やはり相手は破壊神ビルスである訳で、中々本人との修業を許してはくれなかった。
ある時はスーパーサイヤ人ゴッドとなった孫悟空と、ある時は師匠の師匠・ウイスと・・・・・・
そこそこ手加減しているとはいえ、
ウイスと闘っている最中に突然やる気を出したビルスと闘った時は命が持つかどうかヒヤヒヤした。
そんな修業を積み重ねていったある日、ビルスは新たな修業相手を提案した。
「じゃ、今日はボクの付き人と闘ってもらうよ。」
付き人?ウイスとは以前、手を合わせたはずじゃ・・・・・・。
ビルスは違う違うと首を振った。
「そういや初めて会うんだっけ?軽く紹介しとくか・・・・・・ー!」
「はい。」
ビルスがその名を呼んだ次の瞬間、その隣に箒を持った少女が立っていた。
ウイスもそうだが、呼ばれて現れたというレベルではない。
「昔、『掃除屋』として宇宙を往来しててね、今はボクの付き人さ。」
「今でも『掃除屋』です。」
「それは掃除だけだろ!?はあ・・・ま、いいや。
君も少しは知ってるようだし、どのくらいの強さか言わなくても分かってるよね?
じゃ、早速だけど、修業の相手をしてやりなさい。」
「今回の掃除報酬は?」
「別にいいだろ!そのために呼んだんじゃないんだ!」
ビルスはイライラした口調で彼女をキッと睨んだ。
このままではトキトキ都に被害を及ぶと危険を察知し、ふと頭に浮かんだ掃除内容を口にした。
ビルスは顎に手を当て、「じゃあ、それでいこう。」と口にした。
は納得したように頷いた。ひとまず危機は去ったと胸を撫で下ろした。
「では、よろしくお願いします―――。」
は見た目に反して繰り出す技はかなりエグい。
自分が出す必殺技を彼女はいとも簡単に消してしまう。
無駄な動きもなく、気付けばすぐそこにいるという、ある意味別の恐怖を抱かさせた。
かつて宇宙の帝王やベジータ王を雇い主として働いていたという話は本当のようだ。
ようやくの体力を一定内まで減らすことができた時、制限時間はギリギリであった。
「ふうん、かなり時間かかったけど、を相手によく粘った方だよ。
今度はちょっとやる気出してみようかな。」
気まぐれなビルスの口からその言葉が出るのはそうそうあることではなかった。
肩で呼吸しながら「ありがとうございました!」とお辞儀した。
すると、後ろからに声をかけられた。
「どうぞ。」
手渡されたのはゲンキ・カプセル―――それも一番体力を多く回復させる『Z』だ。
ビルスといい、神域の者からくれるアイテムも格が違うな。
その厚意を甘んじて受け入れ、早速それを使って徐々に傷が治っていくのを感じた。
「では先にトキトキ都へ行って来ます。」
「うん、デザートも忘れずにね。」
はシュンと姿を消した。
あんな細い体でどうやって力を身につけたのか不思議でたまらなかった。
「は元々、界王神の下で仕事してたんだけどさ、最近ウイスの修業を終えたばかりなんだ。」
考えていたことはお見通しだという顔でビルスがそう答えた。
驚くのはそれよりも、後者の話だ。
ウイスの修業を・・・・・・?そりゃあ強いはずである。
百面相する自分を見て、ビルスは軽く笑んだ。
「別にそれはいいんだけどさ、最近ボクに対して生意気なんだよね。
ウイスにツッコミを入られるのはしょっちゅうだけど、あんまりいい気はしないなあ。
料理の腕はいいんだけどね。」
ブツブツと文句を漏らすビルスに対し、自分はもう一度を思い浮かべた。
掃除以外に関して興味もなく、感情もないと噂を聞いていたが、
今日会った彼女は話とかなり食い違っていた。
全くといって無表情だが掃除と聞いて僅かに顔を緩めたり、
さっき自分にポイポイカプセルを渡すといった行為から『情がない』とは言い切れなかった。
破壊神ビルスとの出会いで大きく変わっていったのだろうか。
掃除が大好きというブレない所には思わず苦笑したが。すると突然、体が悪寒を感じた。
後ろから視線を感じる。それが誰のものか分かりきっていた。
振り返ってはダメだと頭で理解しているはずが、自分の顔はゆっくりと後ろへ向いていた。
「もしかして気に入った?君も大分物好きだね・・・・・・
そういうボクもかなりの物好きかもね。」
目を細めるビルスを見て、果たして修業を無事に終えて生きていられるかどうか、
そう思わずにいられなかった。
師匠の付き人兼掃除屋
後日、時の界王神の家の周りが綺麗になったが、僅か一日で戻ったという。
***
ゼノバースでついにビルス様と師弟関係を結べたので。