*かなり短い
初めて顔を合わせた時から彼が苦手だった。
強敵と闘うことを好む戦闘種族であるベジータ王子もそれに含むが、言い方を悪く言えば孫悟空はタチが悪い。
次男の悟天が遊んでくれと言われるのと同様に、手合わせしてくれとしつこく迫られる。
何よりもあまり空気を読まず、戦いたいという思いが逆に悪い方向へ転がるのを直接見ていた。
掃除はもちろん、ビルス達によって自然に身についてしまった調理以外のことはあまり気が進まなかった。
「なあ、頼むよ」
「依頼以外のことは受け付けません」
「そんな堅いこというなよ〜」
の強さを知ったのは魔人ブウとの決戦―――
まだシンであった界王神とメルヘス界王神が呼び寄せた助っ人―それがであった。
フリーザ以上の力を持っており、あの魔人ブウを相手に時間を稼いだのだ。
結局悟空が魔人ブウを倒す形となったが、四年ぶりに再会したはウイスの修業によって更なる強さを得ていた。
それを前にワクワクしないはずがない。
「そういや、牛魔王の物置小屋がえれぇことになってよ、
今チチがそっちに戻ってるんだけど人手足りねえってさあ」
ピクリとの耳が動く。
もう一押しに悟空は話を続ける。
「オラと勝負した後に頼むつもりだったんだけど、あんなに拒否されちゃあなあ・・・」
「今すぐ手合わせしましょう」
と交換条件なしで戦うのはいつになるのやら。
2019/05/16