*豊臣軍の忍夢主が鬼滅の世界へ転生
*戦国BSRの下りは省略
*戦国時代編はほぼ夢主語り
*本誌ネタバレ
*考えるな、感じろ
思えば、私の人生は生易しいものではなかった。
といっても私は普通の家庭に生まれ育ち、行ったら将来決まるかな?という安易な理由で大学へ進学していた。
けれど私はそれを決める前に不慮の事故で亡くなってしまったのだ。
何故死んだことまでわかるのか。五歳の時、突然前世の記憶を思い出したからだ。
転生した先が現代ではなく、戦国時代であることに当時思い出した私には辛すぎる現実だった。
家庭に必要な家電、水道、電気など現代では当たり前だったものがない。
でも戸惑ったのは一度きり。この生活も慣れてしまえば不自由も感じない。
ほぼ一日中、家の手伝いが主だが、両親も村の人たちも優しかったし、必ず家ではご飯が食べられる。
けれど幸せはそう長くは続かなかった。
いつものように畑仕事を手伝いしていると、何処からか悲鳴が上がった。
聞こえた先へ視線を向けた途端、武装した男達がこちらへ向かって刀を振り落とされた。
私の意識はそこで途絶え、目を覚ました時には酷い変わり様だった。
火をつけられた家が殆どで、私以外の村人は全員殺されてしまった。
私は口元を斬りつけられただけで運よく生き残った。
私を助けてくれたこの土地の偉い身分の人たちが何か言っていたが、今の私には届いていない。
父と母が死んだ。他の皆も殺された・・・・・・。
まだ何も返せていないのに・・・・・・嗚呼、どうしてこんなことに!
どうしようもない絶望、後悔が胸の奥を熱くした。今までにない激情にどうにかなりそうだった。
その後、私は慈悲にもこの土地の主である城の方へ保護していただいた。
あの豊臣が治めていたところに住んでいたという事実に驚いたが、それ以上にショックなことが起きてしまった。
食べ物をうまく咀嚼できない。
あの時つけられた傷は痕を残すだけなく、満足に食事ができないという残酷な仕打ちを与えた。
毎日食事を持ってきてくれる女中さんに申し訳なかった。
土いじりしかできない身分の低い私のために医者を手配してくれた殿様に頭を下げることしかできない。
医療が現代のように進んでいない時代である、傷が完治するまで数年はかかる。
薬を飲ませてもらっているのもあってなんとか生きてきたが、それでお腹がいっぱいになるわけではない。
もう限界だった。これ以上この城の人たちに迷惑をかけるわけにもいかない。
ごめんなさい城の皆さん、そしてお父さんお母さん、親不孝の娘でごめんね。
ぐっと喉を潰そうと手に力が入った時、襖が開いた。
ハッと我に返って振り返ると、紫色の仮面をつけたふわふわとした銀色の髪が美しい人が立っていた。
その人はこの姿に一時固まったが、すぐに動き出して私の頬を軽く叩かれた。
「一体何の真似だい・・・?何故自ら命を絶とうとする?」
女性と見間違えるほど綺麗な青年は怒りで顔を歪ませ、声を震わせていた。
私が自害しようとした理由を伝えると、青年は怪訝な表情を浮かべた。
「・・・・・・それで易々と命を投げようというのか。
君には十分な時間があるというのに・・・!」
彼と直接会うのは今日が初めてだというのに何故そんな顔ができるのか理解できなかった。
ここには友人と呼べる者もいない。
私は頬の痛みも空腹も忘れて目の前にいる青年を見た。
「こんな時代だ・・・病に伏せ幼くして命を落とす人間は珍しくはない。
けれど、君は違う。秀吉に救われた命なんだ。勝手に死なれたら此方も気分が悪くなる・・・・・・。
その食欲に縋るなら、強くなるんだ。どの道君はそうならなくては生き残れない。
新しい村に居候するか、ここで力をつけて豊臣の要となるか・・・・・・
よく考えて決めるんだ。限られている僕以上に、君は時間を持っている・・・・・・」
まだ五つしかない子供に、何故わざわざその問いを投げたのだろう。
と、疑問が浮かぶのは不思議じゃないが、状況が状況なだけに、私はゆっくりと頭を下げた。
青年が言った『限られている』、何度も出てきた『時間』の意味を数年後に知らせることになった。
***
―――と、波乱万丈な人生を大雑把に語らせていただきました。
本当はそれ以降のことも話すべきかと思うんですが、それはいつか別の機会に。
なんせ戦国時代では有名中の有名の人たちと(ほぼ物理で)巡り合ったんだから。
それも皆個性の強い人たちばかり。その人のことを紹介するだけでも一日じゃ終わらないです、ごめんなさい。
一応、豊臣の一員になっていろんな戦に出ました。大怪我もしたけど、口の傷よりまだマシだ。
大変ではあったけれど、豊臣を始め色んな人たちに出会えたのはよかった。
命はすぐ消えるものだと自覚して、現代では成し得なかったことも経験できた。
「長生きすることだけが良い人生ではない」と誰かが言っていたけど、本当にその通りだと思う。
私が最期どうなったのかはよく覚えていない。
戦死か病死であろうと、私は満足していたと思う。
・・・で、気付いたら転生二回目ということです。
生まれた先はある忍の里でした。一回目の転生先で忍になったのが原因だろうか?
その経験も継承していたらしく、五歳には【婆娑羅】を使えるようになった。
転生って特典がつくものだっけ?
だけどそれが原因で殺されるハメになり、早くも抜け忍になりました。
え?何で?婆娑羅持ちの忍って滅多にいないから重宝するって聞いたんだけど??
なんて言っても抜け忍になった私に聞く耳なし。
こちらも早々死にたくはないので相手の手足の自由を奪ってから距離をとった。
本当は始末した方がよかったしれないが、どの道追われることは確定だ。
両親は既にいないので未練はない。
重症負って満足に食べれなかったり上手く喋れない、なんてこともない。
まずは情報と食料を確保しなくちゃなあ。
***
―――サバイバル生活をしてわかったこと。
ここも戦国時代ではあるが、私が過ごした同じ時代ではない。
私が知っている大名の名は聞くが、自分の知っている人物像と合致していない。
そして私以外誰も【婆娑羅】が使えないどころか聞いたことも見たこともないという。
それを教えてくれたのは、人の形をした異形の怪物から助けた継国巌勝氏だ。
といっても怪物を殺し切ることができず、後から来た継国の人と同じ顔の男性が斬ったのだけど。
その人も継国の血筋の人間だった。
私が見た怪物は元人間である『鬼』。人肉を食らい、日の光と藤の花を嫌うとされる。
その二つ以外に対処できる『日輪刀』で奴らの頚を斬り、退治するのが『鬼殺隊』。
彼―継国縁壱はその組織に所属しているという。
鬼と聞いて真っ先に浮かぶのは『西海の鬼』と『鬼島津』。
鬼という輩が徘徊していると知ったらどんな顔をするだろう。どちらも容赦しない気はする。
私がいた時代にはいなかった存在に対抗する手段が必要だ。
風の【婆娑羅】で木っ端微塵にしても再生してしまうのだから。
一番の近道は『鬼殺隊』の入隊だ。門前払いされることもなくあっさり入れた。
鬼の存在について誰もが信じているわけでもないので、大人も子供も関係ないらしい。
支給される『日輪刀』は前もってお願いした通り、短刀で打っていただいた。
やっぱりこの形でないとしっくり来ないからね。
縁壱くんは私が子供であるからか、鬼殺隊に入ったことにあまりいい顔をしなかった。
自分の身は自分で守るからいいよ。こっちは一応元・忍だから!
日輪刀を手に入ったのはいいけれど、それだけではこの先奇妙な術を使う強い鬼を倒すのは難しいと言われた。
縁壱くんが隊士たちに呼吸法を教えている一方、私は後から入隊してきた巌勝さんに指導してもらった。
でも結果的に私は『月の呼吸』を会得できなかった。
代わりに日の呼吸から派生した『風の呼吸』というのを覚えた。巌勝さんは少しだけしょんぼりした。ごめんね。
鬼殺隊に入ったおかげか、今の生活は安定していた。
鬼狩りをしつつ、たまにお館様のご子息のお世話をしている。
私なんかの人間がそんな恐れ多いことさせていただくなんて大丈夫なの・・・?
そもそも忍びがまったく忍んでいないという時点であれだけど・・・あ、あの人と同じこと言ってる。
お世話といっても外のことや忍者について嬉々と訊かれ、それを話すのが殆どだ。
やっぱり忍者は幼少から憧れる存在なのかな?
ちなみに隊士内で交流関係ができているのは今のところ炎柱さんと継国兄弟の三人だ。
え?皆年が離れている?もうすぐ十歳になるけど、そのくらいの年になる以前の前世では既に
未来の穴倉とか刑部とか凶王とか会ってるんでそんなの今更だ。
炎柱さんは顔合わす度に無理するなよとか気を遣ってくれるので優しい。見た目からだと思うけど。
巌勝さんは暇さえあれば稽古してくれる。
彼からすれば私は恩人に当たるっぽいけど最終的に助けたのは縁壱くんだから恩人といっていいのか・・・。
静かで厳しい人だが、実の弟である縁壱くんへの態度は一目瞭然。
彼が称賛されたり、彼の姿を見るだけで嫉妬と憎悪が入り混じった目をしていた。
弟のことを嫌ってると思い、その話題には触れて来なかったが、何故か巌勝さんの方から振ってきた。
生まれてこないでくれとか、縁壱くんになりたかったとか・・・・・・え・・・何この人・・・
何で本人に言わないんだよ!?意味がわからない!
会話をしないのも問題だが、巌勝さんはとにかく自己評価が低い。
必ず縁壱くん対象で遠く及ばないと言ってるが、私たちからすれば彼もとんでもない強さの剣士だ。
未だに『月の呼吸』を覚える者は出てこないけれど、独自の呼吸法を編み出している時点で評価は大きいのに、
どうしてこの人は自分にスポットを当てないのだろう。
こういう人こそ真田さんが言う武田漢道場に入れるべきでは?
さて一応交流しているもう一人の問題児・縁壱くんなんだが・・・・・・発言の数が少なすぎる。
過去にも寡黙の人はちらほらいたが、
この人はこの人で肝心な時にちゃんと言葉にしないから誤解がたくさん生まれた。
幼少期は母共々離れに追いやられていたとか環境のせいかと思ったが、
喋ろうと思えば喋れたという事実にあんぐりと口を開いてしまった。
この人、小さい頃からちょっと変わってるんだな・・・。
透明な世界が視えるといった【婆娑羅】とはまた違うベクトルで圧倒されたけど、
彼は武器をとることよりも家族と一つで暮らしたいと何度も語っていた。
巌勝さんには非の打ち所がない人格者と映っているが、縁壱くんは他の人間となんら変わらない。
遊んでくれた兄に対して今も尊敬しているし、いつか生まれてくる自分の子供を抱いたり
屋根の下で暮らせることを願っていた彼の気持ちに涙が出そうになった。これは圧倒的弟属性です・・・。
だから鬼狩りをしている私に危惧の念を抱いていた。でもこればかりは頷けない。
戦えないと自分だけでなく守りたい人も死んでしまうから。
そう伝えると縁壱くんはますます顔を俯せてしまった。ごめんね。
今のところ彼をベタ褒めしている部分が目立つが、この人だって人間なんです。
やっぱり喋る時は喋ろう。そしてお兄さんと真正面から本音という言葉をぶつけ合え、
そんでいっぱい喧嘩して仲良くなれ。というか兄弟共々武田漢道場に入れ。
真田さんの信頼する人が相手なんだからきっと大丈夫だ!
そう、彼らのように、殴り愛する継国兄弟・・・・・・
(※イメージ)
『兄上ぇえええええええええええ』
『縁壱ぃいいいいいいいいい!!!』
うわ、怖っ。あれ、巌勝さんどこぞの凶王さんになってない???
こういう拗ねた兄弟は刑部が好きそうだよね・・・あっ闇が深くなっちゃうからだめだ、お菓子出したってだめだから!
ええ、私の余計なお節介です。私が動いたところで解決にはならないでしょう。
それでもこの二人は危うくて、どうにかしなくちゃと思って仕方がない。
何らかのきっかけがあれば亀裂が入ることも、敵同士としてどちらかが地に倒れることなんてないはずだ。
だけどあの夜、とてつもなく嫌な予感がして私は走った。
未だに継国兄弟に会っていないのが余計に不安を煽らせる。
特に『痣』が現れてからずっと思い詰めていた巌勝さんは。
風を切って開かれた視界に巌勝さんだと捉えた瞬間、彼の前に立つ人物にぞわりと悪寒が走った。
「ならば鬼になればよいではないか」
『喜べ、まもなく第二の生の幕開けだ』
瞳孔が猫のように縦長で紅梅色の瞳の男が、あの憎き梟雄と重なる。
決してそれだけではないが、生かしてはならないと、奴こそが鬼の首魁であると勘が言う。
巌勝さんが他に何と交わしたのかは知らない。もし、私の予想通りなら、鬼の首魁がしていることは侮辱しかない。
「全ての元凶がッ!わかったような口を叩くなぁあああ!」
またもや私は怒りに任せ、それが仇となって胸を貫かれた。
そもそも忍びには感情はいらないのに。
私を忍頭へと育て上げた元上司(あの銀髪の軍司ではない)もすっぱくと言ってたのに。
最期まで感情を捨てきれなかった私を忍びとは到底いえまい。
「・・・!」
切羽詰まった巌勝さんが珍しく声を荒げた。
私はそういう顔をさせたかったんじゃない。彼らの役にも立たない、何が転生だ。
どんなに悪態をついても血は止まらない。視界がどんどん霞んでいく。
今度は悔いを残していくのかと思うと、やっぱり私はまだまだだな。
***
二度あることは三度ある。
三回目の転生先は二回目の転生先で亡くなった戦国時代から何百年も経つ大正時代だ。
此度も家族に恵まれなかったが、藤の花を植え祀っているお寺の優しい僧の元で暮らしている。
未だに鬼は世に蔓延る一方で、この寺は過去に助けてもらった恩から鬼殺隊を無償で手助けしているのだ。
記憶を思い出したのは手足が覚束ない頃に鬼狩りの人を見たからだ。
記憶を引き継いだ私は手伝いの合間を縫って自分を鍛え、夜には寺の周りをうろつく鬼を退治した。
まだ鬼殺隊にも入っていないので朝まで戦うのが殆ど。
とうとうお寺の僧にバレた私は一層厳しい目で手伝いを任された。
まだ幼い身で鬼狩り様の真似事など…!と。まあ普通はそうだよね。戦国時代に長くつかり過ぎたわ。
そんなある日の夜、意外な来客が私の部屋にやってきた。元同業者じゃないか!
まさか大正にまだいたなんて驚いた。
「”旋風の”だな?」
懐かしい通り名だ。といっても他にも通り名がありすぎてあんまり呼ばれないんだけど。
旋風というのは私が使う風の【婆娑羅】から来たものだ。
大人になっていれば竜巻以上の技が使えるのだけど。
ちなみに二回目の転生で生まれた場所が忍びの里であったのを覚えているだろうか?
その里の名は代々名を連ねる宇随。今目の前にいる彼はその子孫ってことだ。
そう簡単に血が廃れるとは微塵も考えたことがないので子孫がいても不思議じゃないが、
何故今にもなって宇随の者は私を追うのだろう?確かに追手を死なない程度に痛めつけちゃったけど。
「『お前が生まれたせいで宇随の名が汚れた、
”旋風”と思わしき子供が再び世に生まれ落ちたら排除しろ』ってな」
ああ・・・【婆娑羅】の概念もない世界からすれば、私は異物だったんだ。
どんなに時代が流れても自分とは違う者が出れば徹底的に排除しようとする。今も同じだ。
私が記憶持ちの転生者じゃなかったら精神ともにお陀仏だよ。
けれど昔の因縁を関係のない血筋に暗殺を任せるのってどうなんだろう。
一般の忍び事情には詳しくないからなんとも言えないけど。
「あなたが絶対にそうするっていうならしょうがない。やるなら外へ移動しよう」
「そう言って逃がすとでも思うか?」
「あなたの腕が確かならそんなことできないでしょ。
私は今外出禁止令を出されてるからまた鬼狩りの真似事をしたって怒られるだろうけど」
「・・・俺を殺せる自信があるってか」
「君にも申し訳ないけど私だって殺されたくないさ。
でも、朝から部屋の中で私が死んだのを見てトラウマになってほしくないな」
多分、何だコイツていう顔だ。
これから殺されるというのに他人の心配をする理由があるのかと。
だってこの寺は宇随一族の問題と関係ないじゃない。
そう言うとますます彼の表情が曇ってきた。
最初に見た時もそうだけど、この人はずっと迷ってるんだろう。このままでいいのかと。
祖先の言葉に従って私を殺すとは言ってるけど得物を一向に出さない。
今までの追手よりも話ができそうだ。
「死ぬ前に君の話を聞かせてほしい」
私が逃げないのを見て困惑しつつも、彼はぽつりぽつりと話し出した。
最初こそ油断するためだと思われていたが、次第に感情に任せて言うようになった。
彼のいる宇随一族は親を含め十人だけ。姉弟が九人いたが今は二人のみ。
彼の二つ下の弟は父親の複写と呼ばれるくらいの価値観を持っている。
本人の意思は尊重しない、ひたすら無機質。
それを幼少期から植え込まれていながら否定するのってすごい勇気のあることじゃないだろうか。
「逃げてもいいんだよ、そこまでして苦しむのは自分のためにならないよ」
逃げる選択肢は恥と敬遠されがちだが、決して無駄にならない。
特殊な環境にいて忍びらしさというのをよくわかっていないから
私の意見なんて参考にならないだろうけど。
「それが許されるなら、とっくの昔にやってるぜ。俺には三人の嫁がいる、迂闊には動けねえ・・・」
「私も手伝う」
「は?」
私の暗殺云々はそっちのけにして、彼―宇随天元さんたちの脱走計画をゲリラ決行した。
お嫁さんたちは天元さんに任せ、私はかく乱役だ。彼の身内にひどい真似はしない。
きっと天元さんの父親も先代からそう教えられて生きてきたのだろう。
強く根強いた価値観はそう簡単には崩せない。だから彼らの生き方も否定しない。
忍びも侍も難しいな。
落ち着いたところを見計らって天元さんと合流した。彼は怒涛の勢いで私にお礼をいいまくった。
お嫁さんたちも泣きながら何度も感謝の言葉を述べた。
「お前には感謝してもまったく足りねえ。この恩はド派手に返すぜ!」
「いいよ、私がやりたいって言っただけだし。
あなたはこんな状況にさせた私に借りができてしまって不本意でしょ?」
「は?何で?それとこれとは別だろ?」
「それに個人的にお前のこと恨んでも嫌ってもいないぜ」と私の頭をくしゃくしゃに撫でた。
逆に「まだ餓鬼のくせに昔の記憶引き継いでるからって無理すんなよ」と何故か労いの言葉をかけられた。
すんなりと私が転生したことを受け入れたり柔軟が良すぎないだろうか。
こんな優しい人まで忍びにならなきゃいけないのか。