ピッコロさんに容赦なくしごかれ、 心身と共に(いい意味で)ボロボロになった私は久方ぶりに熟睡した。 学ぶ力は異なるが、ツェペリさんやリサリサ、ピッコロさんの修業内容はハードだ。 今日は仕事が休みなので久々にショッピングエリアに向かうと、 クリリンや悟飯くんといった面子が揃っていた。 先に気付いたクリリンが私に向かって手を振った。 「よお!今日は非番か?」 「こんにちは、さん。」 ≪二人とも久しぶり。今日は歴史修正もクエストもないから久々に昼食でもとろうかと思って。≫ 「お前も真面目だからなあ。トランクスもそうだけど、も程々にしとかないと持たないぞ?  オレが言うことじゃないんだけどな・・・・・・ハハ。」 ≪いいや、そう言ってくれて嬉しいよ。肝に銘じる。≫ 「あ、ピッコロさんから聞きましたよ。地球人なのに呑み込みが早いって・・・・・・  さんのように稀な人物が現れるから世界征服できなかったって!」 「へえ〜あのピッコロが褒めるなんて珍しいな。  そういうプライドの高いベジータも一目置いてるみたいだし、  ホント、オレの周りにいる奴らは成長が早いぜ・・・・・・。」 キラキラと目を輝かせる悟飯くんの口からサラリと『世界征服』の単語が出て来たが、 クリリンは何事もなかったかのようにスルーしていた。 まあ、フリーザやセル、魔人ブウといった強敵に遭遇していたのだから、 ある意味そっちの方が優しく聞こえるんだろうな・・・・・・って何言ってるんだ私は。 「オッス!」 「悟空!」 「父さん!」 突然、目の前に悟空が瞬間移動で現れた。 一瞬だし、察知できないから本当に厄介な技だ。 「どうしたんだよ?お前がこっちに来るなんてさ。」 「時の界王神様に呼ばれてよ、さっき終わってクリリン達の気があったらこっちに来たんだ。  おめぇら何やってんだ?」 「ああ、悟飯とメシにしようかって話してたらちょうどに会ったんだ。」 「お!、久しぶりだなあ!」 ≪久しぶり。悟空もお昼食べる?≫ 「ああ、オラも腹ぁすいちまったなあ。」 今日は多めに食べたい気分なので、 カレーライスセットの他にちょっとしたおかずとデザートを注文した。 サイヤ人の二人は量など関係なく、とんでもない数の料理を平らげていた。 (この様子じゃ、まだ食べるな・・・・・・) 既に注文を終えたクリリンは悟空たちの食べっぷりに圧倒しつつ、 自分のペースで炒飯を食べていた。 「相変わらずスゲェよな、こいつらの食欲。」 ≪たくさん食べてる分、たくさん動いてるからあの体型維持できてるんだよね。≫ 「あの二人がそう考えるとは思えないけどな。」 お互いに顔を見合わせて苦笑しながら、スプーンを片手に他愛のない会話を交わした。 パラレルクエストではこんな相手が敵になったりとか、 娘のマーロンちゃんがまた大きくなって毎日成長が楽しみだとか・・・・・・。 「そういえば此間、セルをブッ飛ばしたんだって?  しかも地面にめり込んで・・・・・・。」 ≪師を侮辱したんだ。自業自得だよ。≫ 「後が怖ぇな、それは。まあ、お前なら心配ないと思うけど。」 アイスも食べ終わり、コーヒーを一息ついた所でやっと向こうも食事が終わったようだ。 (あの大量の皿を洗うのかと思い、いくらそれをやるのがロボットでも同情してしまう) 「、久々に会えたんだしよぉ、オラと勝負しねぇか?」 「(げっ)」 そう、これなのだ。 悟空は良くも悪くも、サイヤ人の血を引いているが為に私と会えば決まってそれを口にする。 神龍に呼ばれたというのもあり、出会う前から戦ってみたいと本人は言っていた。 やたらとしつこく手合わせを願うセルとは違った純粋な戦士。 どんなに年を経っても修業を続ける彼の強さは計り知れない。 クタクタな時でも手合わせを願って来るのだから本当に勘弁してほしい! はあ、ワムウが会ったらきっと喜ぶだろうなあ・・・・・・。 「なあ、頼むよ〜。ドミグラと戦ってからずーっと手合わせしねぇんだぞ?  勝負するって約束したじゃんか〜!」 「(ここんとこずっとパトロールして来たからね・・・・・・)」 「まあまあ、は休みなしで働いてたんだからさ。今日じゃなくたって・・・・・・」 「やだ!オラもう待てねぇ!」 「お、おい!ここで超サイヤ人になることないだろ!?」 金色に輝き始め、中にいた他の者達は逃げるように出ていった。 こうなってしまった悟空は止められない。仕方ないな・・・・・・。 食べた後だからお腹痛くならないか心配だけど。 マグカップを置いて席を立ったその時、自分が知っている気がまっすぐ此方に飛んで来た。 「カカロット!そいつと闘うのはこのオレだ!!」 あっちまで超化しているベジータさん。 彼が突っ込んでくれたおかげで天井が丸見えだよ・・・・・・。(ロボたちの仕事増えたな) 「貴様よりずっと先に約束をしていたんだ。邪魔するな!」 「いぃ!?んなもん初めて知ったぞ!  そういうベジータはとたくさん手合わせしてるじゃねえか!」 「やかましい!」 「(さん、行きましょう)」 ≪うん。ピッコロさんとこ行こうか。≫ 私達をそっちのけで言い争いを始めた超サイヤ人たちを無視して、 自分たちの師匠がいる所へクリリンと一緒に避難した。 (悟飯くんにその血が強く出てなくてよかった!!) またくだらんことをやっているのかとピッコロさんは呆れ顔。 特にやることがないので瞑想した後、兄弟弟子で手合わせしたり、 ちょっとした世間話をして解散した。結局のんびりしてねえや。