望んで来たわけでもない精神病院で遭遇したグルースキンとあれよこれよと結婚してしまった。
この腐った世界で初夜を迎えるなんてどうかしている。
生き延びるためだと自分に言い聞かせ、
彼の願いを受け入れた自分も相当おかしくなってしまったのだろうか。
「待たせたね、Darling」
とうとうグルースキンが部屋に入ってきて思わず体が震える。
よほど嬉しいのか、彼お手製のウエディングドレスに身を包んだを抱きしめた。
まだ会って間もない数時間前でいきなり抱きしめられた時よりも極々優しい。
最初は恐怖でしかなかったが、今は不思議とそれを感じられない。
背中に回っている手が背中のジッパーを下ろしていく。
胸の圧迫感がなくなり、少し肌寒くなると忘れかけていた羞恥心がみるみるうちにの顔を赤く染め上げる。
何も着けていない心許なさに両手で胸を隠した。
「ああ、隠さないでくれ。君の全てが見たい」
彼だけが余裕あることにちょっとイラっと来る。
少しだけ羞恥が和らいだは思わず口走る。
「そ・・・それなら貴方も見せてよ。私だけ裸とか、不公平じゃないですか・・・」
しまったと手で口を押さえたが既に遅かった。
忘れがちだが、このエディ・グルースキンはマウントマッシブ精神病院の元患者であり、
多くの患者たちを惨殺している。親しげに話してくるが、気分を害せば容赦しない。
顔を真っ青にするをよそに、グルースキンはポカンと呆気にとられていた。
「・・・ハハ、そうだね。俺だけ服を着ているのは君に失礼だ」
嫌な顔なく堂々と脱ぎ始めた。
あれ?と拍子抜けするの目に飛び込む逞しい裸体。
40代とは思えない鍛え上げられた上半身だけでも口が塞がらなかった。
「さて・・・いいかな、Darling?」
「あ・・・」
いつの間にかまた腕の中に閉じ込められ、軽く触れるだけのキスが落とされる。
何度かそれを繰り返し、ぺろりと唇を舐められ、「わっ」と口を開く。
それを待ってたといわんばかりにグルースキンの分厚い舌が口内に入り込む。
口の中がどうなっているか見ることはできないが、彼の舌が歯列をなぞっているのはわかる。
やっていて楽しいのだろうか。口の中の上の部分を舐められ、思わず目をぎゅっと瞑った。
それに気づいたのか、グルースキンはの舌を甘く吸い上げ、名残惜し気に唇を離した。
お互いの唾液でてらてら光る唇で大きく息を吸い込んだ。キスってこんなに苦しかったっけ!?
「大丈夫かい?」
「はあ・・・し、死ぬ・・・」
「君は、キスは初めてなのかい?」
「あ、あれがキス・・・!?あんなことされたの初めてだよ!」
「!・・・ふふ、そうか」
うわあ、すごくうれしそう〜〜〜。(棒読み)
「初めて男を受け入れるのだから当然だ。少しずつ慣れていこうか」
今度は頬や額、耳などあらゆる所にキスを降らせていく。
何だかこそばゆくて、身をよじる。再び口をふさがれ、お互いの唾液を交換を交換する。
何度か繰り返しているおかげか、先程よりも苦しくなかった。
口づけの合間に呼吸を繰り返すの背中を撫で、ゆっくりとベッドの上に押し倒した。
小ぶりの胸を撫でるように揉み、指の腹で乳首を転がす。は吐息を漏らした。
自分も触れることはあるが、他人に触れられるだけでこんなに違うなんて。
最初会っただけでああだったからがっつがれると思ったらかなり紳士的だし・・・・・・。
彼からの愛撫を甘受しながら、はぼんやりと思った。
「ああ、Darling・・・ここに僕らの命が生まれる神聖な場所」
そう言いながらの腹を何度か撫でて口付けを落とし、
未来の我が子を待ち侘びるように顔を押し付けた。
は思い返す。
グルースキンは自分と出会う以前にも、暴徒化や無抵抗の患者たちに迫っていた。
子宮のない異性に、自分の子を産んでくれと。
グルースキンがここに収容されてどのような扱いをされてきたのか、
何が原因でそう執着するようになったかはわからない。
幸い私は病気を知らずに生きてきたが、もし、子供を産めない体だったら・・・?
そうと知ったら彼は嘆き、怒り狂って私を殺すに違いな―――
「―――んぐ!?」
下半身から何かが擦った痛みで思考を遮られた。
視線を下ろすと、グルースキンの太い指が膣口に埋め込んでいるのが見えてギョッとする。
ぱくぱくと口を開閉して百面相するに対して、
グルースキンは自分の指を締め付けている狭くて熱いそこに、堪らなく興奮していた。
快楽よりも痛みが勝っている彼女を気遣い、胸の頂を吸ったりなめたり、口を吸うなど愛撫を施す。
の上擦った声に伴い、更に指を追加して抜き差しを行う。
何本か愛液が尻に伝ったが、もう少し慣らさないといけない。
指をそのままに、グルースキンは体勢をずらした。
愛液がしとどに垂れている媚肉の割れ目に舌を這わす。
「あぁっ!」
なんとも言い難い快楽に、は目を見開いた。
さっきまで胸を吸っていたグルースキンの顔が足の間に埋めている。
「ああ・・・やだ、そこ・・・きた、な・・・、」
排泄する場所としか把握していない所に舌を添わせるグルースキンの髪を掴むも指に力が入らず、
ただ手を添えるしかならない。
可愛らしい仕草に熱を掻き立てる。指で中をかき混ぜ、空いてる指で秘芽を刺激する。
はっと息を詰めた瞬間、頭の中で何かが弾き飛んだ。
それが絶頂を迎えたのだと理解するほど、の思考は理性を保っていない。
火照った頬に伝う涙と快楽で歪んだ表情に、だらりと股を広げた彼女の嫌がる姿は刺激的だった。
今すぐ彼女を悦ばせたい欲情を無理やり抑えながら、グルースキンは彼女の太ももを掴んで開かせる。
熱い何かを押し当てられ、ぐったりしている頭を上げて、
初めて目にする彼の怒張には恐れ戦く。
「む、むりむりむりっ、そんなの入らな―――ッ!!」
子供のように駄々を捏ねる彼女の腰を掴んで、グルースキンは一気に奥へ挿し込んだ。
悲鳴にならない声が響く。
か細い声が間隔を置いて漏れるの股からは、処女の証であった血が流れた。
これで彼女は自分のものになったと、を抱き込む。
狭く熱いそこは自分を離すまいと締め付けられ、熱い吐息を漏らす。
味わったことのない激痛から逃げようとするの肌を包み込む温かさに、
徐々に落ち着きを取り戻していく。
息を整えた彼女を見計らい、グルースキンは中に押し込んだ自身をゆっくりと引き抜く。
抜けていく感覚にホッとする間もなく、再び最奥を穿つように打ち付けられる。
「―――ぁああ!」
卑猥な音を立てながら中を抉られ、何度も抽送を繰り返される。
性行為には多少の知識はあるが、初めて味わうそれは彼女にとって地獄の責め苦だった。
痛い、痛い、早く終わって。
の悲願とは裏腹に、膣内を摩擦するのを止めてくれない。
意識が朦朧とする彼女の耳元で、グルースキンは快楽で上擦った声を吐き出す。
ぼんやりと彼に視点を当てる。
「っ・・・Darling・・・」
いつもと違う余裕のない表情。熱っぽい瞳で見下ろす彼の吐息が荒い。
彼もこんな顔をするのだと、遠くを眺めるような気持ちで見た。
「はぁ・・・君の中は、とてもいい・・・」
相当快感なのか、そう言う彼の言葉も熱っぽく聞こえる。
時間の経過もあってか、痛みよりも快楽を拾い始める。
膣を擦れる度にゾクゾクと何かが這い上がって感覚に、の吐息も変化した。
彼女の甘い時に気づいたグルースキンは腰の速さを落とし、
どこが一番感じるか探るようにの表情を見つめる。
「気持ちいいかい、Darling?」
「はっ、はっ・・・ん、」
意に染まぬ行為だとしても、快楽を得てしまったのは事実だ。
ゆっくり、浅く、規則的な動きが、何ともいえない気持ちよさで反応してしまう。
ちゅぷちゅぷと卑猥な音を立てながら中をかき混ぜる。
徐々に快感が高まっていき、はふるふると震えだす。
「あっ、あぁっ―――・・・!」
体が弾けたような、そんな感覚だった。
頭からつま先まで快感が広がり、ふわふわして何も考えられない。
絶頂を迎えた膣は収縮して中に入っている彼のものを襞で絡み、ぎゅっと掴む。
グルースキンの眉間にしわが寄り、その場を凌いだ彼はすぐ次の行動に移す。
「Darling,俺はまだイってない・・・今度は一緒にイこう!」
「へ?え・・・?」
達して間もないふにゃふにゃの状態でロクな返答しかできない。
そんな彼女の返事も待たず、中に入ったまま身体を起こした。
そのまま向かい合わせにグルースキンの膝に座らせる。
「〜〜〜っあああ!ふ、深っ・・・!」
座位が変わって一気に奥まで埋め込まれ、びくびくと反応してしまう。
グルースキンはこの締め付けにうっとりすると、生理的にあふれ出る涙を吸い取る。
「いいかい?Darling,動くよ」
「はあ・・・、ま、まって、ぁああっ!」
下から何度も突き上げられ、仰け反って喉を露わにする。
先程よりも比じゃない快楽に逃げ腰になるが、逞しい腕によって固定されてしまう。
呼吸が再び乱れ、迫りくる何かに抗おうとグルースキンの首にしがみついた。
グルースキンは目を見開くも、彼女の腕を振り払わず、彼もを強く抱きしめた。
「ああ、Darling,嬉しいよ・・・さあ、イこう・・・」
「ひぁっ・・・あぁ、やあっ・・・!」
容赦ない打ち付けで足のつま先からひくひくと痙攣し始める。
グルースキンのものを締め付けながら二度目の絶頂を迎え、
促されるまま男もの中に白濁を吐き出した。
中に入っている男の精器とは別の熱いものが内部に注ぎ込まれる。
「あ・・・あああ・・・・・・」
「Darling,Darling・・・!」
「っ!まっ・・・ひっ!」
出されたとショックの余韻を浸ってる余裕も与えない律動が再開される。
性欲の底が知れぬとばりにグルースキンは獣のように腰を打ち付け、彼女の首筋に吸い付いた。
行き過ぎた快楽は最早を追い詰める拷問にすぎない。
「あっ!たしゅ・・・っ、た、けて・・・」
「ああ・・・もう一度受け止めてくれDarling・・・!」
何度目かの絶頂と射精に、はついに意識を飛ばした。
2018/05/13